高校生と言う人種は基本的に授業を受けるために学校に行く者という定義が強い。何故なら、義務である教育を終えた癖にまだ勉強しようとわざわざ受験するくらいだから、だ。しかし勿論、授業なんて聞く気が無い奴が大半なのが現実という奴であって。



そんなこんなで今日も並盛男子高校は、生徒の8割が待ちに待っていた昼休みを迎えた。




セント・ウォーズ―00―




普通の高校とは違い、女子が居ない分、並盛男子校の昼休みは穏やか・・とはお世辞にも言えない。あちらこちらで話されるほとんどは下ネタで、そうかと思えば弁当の取り合いにいそしむ小学生の様な奴ばかりだ。廊下でボール遊びは当たり前、教師への悪戯100案は常識として全校生徒が知っている始末。


そんな中、生徒も教師も寄り付かない場所があった。


並盛を裏で牛耳っているというもっぱら噂の少年、雲雀恭弥が部長をしている演劇部の部室である。入学当初から現在、つまりは2年生に至るまで全ての授業はサボる、掃除はしない・・と見事に協調性に欠けている彼が何故部長なのかは演劇部員以外の生徒一員の永遠の謎だった。が、演劇部の部員は違う。中には彼を神と崇める者さえ居るほど、彼の存在は演劇部にとって重要だった。



そして今、1人の少年が自分の運命を変える程の決心をして、その部室の扉の前に立っていた。



その少年の名を、沢田綱吉。1年生の彼は、今まさにその「運命の扉」を叩こうとしていた。





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2008.01.19(Sat)up


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